帰郷 2012 MAY 5

「昨日【鮪】が揚がったよ」

と教えてくれたのはタクシーの運転手さんであった。
北陸・氷見でのフレッシュ「まぐろ」を初体験?
と僕はテンションが上がった。

本マグロ?クロマグロ?
運転手さんに
「あそこのお魚屋さんは地元のみんなが行くよ」
とこっそり呟かれた。

「そぉーですかぁー」と無関心を装って僕は答えた。
しかし、僕は走るタクシーの車窓から目に付いた
回りの風景をチェックした。

このあとに「行く」と思ったからである。
氷見・海鮮館に寄ってから毎度毎度の潮風通り
ひとり歩きをして先程のお魚屋さんに到着した。

スリムで黒いベストの似合うお姉さんが対応してくれた。
生まれも育ちも氷見のこの辺りだそうだ。
「マグロが揚がったそうですね」と僕は言った。

するとすっと「ブツ」を出してくれた。
半身の頭に近い部分のブロックだった。
綺麗な赤からのグラデェイションに僕の目は奪われた。

母への今回の御土産が決まった。

これだ。

「母の日」も有ったので少し無理をした。
丁寧に包んで頂いて嬉しかった。
帰って母と食べた。

生マグロの酸味は新鮮さの証であろうか?
食しながらタクシーの運転手さんの
「この辺のマグロは夏のちょっと前なんだよ」
と言っていたのを思い出した。

「旬」は「瞬」であろう。
たびの人にとっては。
その「瞬」の「旬」を頂けたのである。
御馳走様であった。