嫌われ松子の一生

近所に郊外型の大規模なスーパーが出来た。 車で15分程である。埼玉スタジアムの近くに在りとてつもない広さのパーキングスペースを確保している。 浦和美園のEAONである。この中にワーナーマイカルのシネコンも出来たのである。 ここで「嫌われ松子の一生」を先日観てきた。 今までは大宮のMOVIXとワーナーマイカルを利用する事が多く、車で一時間程かかっていたので喜びのあまりにタコ踊りを自宅の前でしてしまった。 普段キャッチボールなどをして遊んでもらっている近所の小学生に「熱でも有るんですか?」と言われたが「オジサンは嬉しいんだよ。近所に映画館出来て。それで一発目に観た松子おばさんの話も面白かったんだよ。ダブルのハッピーって感じなんだよ」 とボニー・ピンクさんの歌に合わせてタコ踊りを止めなかったらその小学生は困ったのだろう。 「オジサンが壊れたぁー」と言って慌ててお母さんを引っ張って来て「お医者さんを呼んでぇー」と泣きじゃくりながらも必死にお母さんにしがみ付いてお願いをしていたのである。 僕はいくら嬉しくてもその表現をする場所と相手は把握していないといけないな、と改めて思った。 加えて彼が僕の事を懸命に心配してくれている姿が健気で目頭が熱くなった。 翌日その小学校の2年生の男の子は学校を遅刻したそうである。 どうやら知恵熱が出たらしいのだ。 責任は僕に有る様な気がするのは僕だけではないだろう。 シネコンが近所に出来た事は嬉しく事実ではあるが「タコ踊り」のくだりからは全てである。 嫌われ松子の一生 通常版 この「嫌われ松子の一生」という映画に付いて何かキーボードで文字を叩こうするとこんな関係有るのか無いのか分からないお話からでも始めないと作品の持つエネルギーに圧倒されてしまい叩けなくなりそうである。 解釈やら意味やらテーマやら深読みなどをこの作品に対して考えるとどういう訳だかカッコ悪い様な気がしてならないのだ。 あくまでも個人的な事であり、自分に対してである。勿論色々考えてしまうのだけれども・・・。 「松子さんが懸命に自分の時間を過ごしたんだなぁ」で充分の様な気がしてしまうのだ。 「とてもとても好きな作品であり、傑作で有る」と僕は声と文字を大にして言いたい。 中島哲也監督の「下妻物語」(04)の後の最新作である。 この作品に関してはほとんど興味が無かった。 しかしながらあちこちで「面白いよ」という評判を聞きDVDをレンタルして来たのだ。 もう一年以上前の事である。面白かったのである。 おまけに「熱い」のである。と同時に絆とか情けとか繋がりとか思いやりとか優しさとか喜びとか自立など全部ちゃーんと描かれていている所に僕はやられてしまったのだ。 「次回作は必ず劇場に行くぞっ。この監督の作品は」と思ったのである。 そしてこの一本で土屋アンナさんのファンになってしまった。40過ぎのオジサンとしてはかなり恥ずかしい気もするが事実なので仕方がないのである。もし僕が「下妻物語」を観ていなくて友人が突然「土屋アンナって可愛いよな」と言ったら「誰それ?」とはっきり言ってしまうだろう。 観ていない事ほど淋しい物はないのだ。勿論映画だけに限らない事である。 今回の作品では特に黒沢あすかさんと伊勢谷友介さんに随分と魅かれた。 瑛太くんが黒沢あすかさんから濃厚なキスをプレゼントしてもらった所は少し羨ましかった。 余計なお世話である思うのだけれども・・・・。 この「嫌われ松子の一生」をお好みの方はフェデリコ・フェリーニ監督の「8½」(63)やボブ・フォッシー監督の「オール・ザット・ジャズ」(80)も気に入るのではないのだろうか? ちなみに僕は「下妻物語」と「嫌われ松子の一生」の原作の方は未読である。 今、ふと思ったのだけれどもリリー・フランキーさんの「東京タワー」を中島監督が撮るとどんな感じになるのだろうか? 観てみたいものである。 いつの間にか「ブロークバック・マウンテン」を見逃してしまっている。残念である。 次回は「ナイロビの蜂」を予定しています。