バタフライ・エフェクト

バタフライ・エフェクト
何か面白かったですよ。これは。

カオス理論という物の中で蝶が地球のとある場所ではばたくとその地球の反対側では竜巻が起こると言う様な考え方があるそうだ。僕自身は全く理解できない事柄ではあるがほんの些細な一つの波紋がその後大きな出来事の要因になるという事であるのかな?と思った。タイトルはこの辺りを狙っているんだろうな。多分。

この作品に関しては全くと言っていいほど予備知識が無かった。スタッフ・キャストに関しても殆んど知らない人達である。前評判みたいな物もあんまり僕の耳には入っては来なかった。「ショウビズ」というテレビ東京の日曜日の深夜の番組で簡単に紹介されていて過去と現在を行き来して彼女との仲を修復するよーなお話・・・・この程度の認識であった。

ラブコメ?タイムトラベルネタ?お笑いSF?この辺りの予想である。

僕の予想というか想像していた作品とは大分違っていた。

良い意味で期待を裏切られた。

タイムトラベルと言えば僕はどうしても「バック・トゥ・ザ・フューチャー」である。

「時をかける少女」も「なぞの転校生」も外せないことは明確な事実ではあるがそちらの方はまた別の機会にしたいと思う。ファンの方々許してね。

話を戻す。

文字を大にして僕はこのシリーズは傑作と言いたい。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの出来具合を比べてフエイバリットも人それぞれであろう。伏線の張り方や小ネタの数々は素晴らしいと思う。一つ一つ挙げていたらキリが無いけれどもコンバースとナイキのネタは誰もが笑ったのではないのだろうか?

以前にブライアン・デ・パルマ監督がジョージ・ルーカス監督の「アメリカン・グラフティ」(1973年)の裏番組みたいな所で「キャリー」(1976年)をこさえたみたいな記事を読んだ。これは僕の解釈である。ふーん・・・と2,3日とても僕は気分よく過ごせた。

アメリカの若人も色々悩んで大きくなるんだなーとしみじみ思った。

まぁ、この「バタフライ・エフェクト」が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の裏番組とは言えませんが・・・・。でも、未来に戻るという感じは良いですね。

マイケル・J・フォックスさんは30歳の時にパーキンソン病と診断され俳優という職業からは現在は随分と遠ざかっているらしい。

1985年にシリーズ第一弾の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は新宿スカラ座で観た。季節は忘れてしまったが劇場内には中学生や高校生もいたので冬休みとか春休みだったのだろう。夏ではない事ははっきりしている。平日だったのでそんなには混んではいなかった。僕はいつもの様に一人でスクリーンを見つめていた。ふと気が付くと僕の前のシートには中学生の男の子二人が座っていた。おしゃべりもせず行儀よく鑑賞中であった。後半の方で片方の男の子が小声で友達に「マーティは帰れるのかな?」と呟いた。

僕は「アホンダラッ」と心の中で絶叫した。

「帰れなきゃエンド・マークガ出せねぇだろう。スピルバーグが製作だろーがっ」

と全く彼らの事をしらっとした態度で見つめていた。我ながら嫌な奴である。雰囲気を察すると同い年の間柄らしいのだけれども「帰って来れるのかな」と心配していた子の方が弟分のようであった。

ドクの大奮闘で見事にマーティーが1985年に戻って来た瞬間、彼らは何と二人で握手をしながらお互いの肩を叩き合い「良かった。ほんとーに良かった」と大喜びであった。今にも歓喜のあまり抱き合いそうな勢いであった。暗がりであり、しかも前のシートだったので彼らの瞳を見れなかったのだが、涙目になっているであろう事は間違いない、と思った。

僕は何が負けなのか不明ではあるが負けたなとその時、思った。

今、思い出したのであるが「フィールド・オブ・ドリームス」(1989年)も考えてみると若い頃の父親に会うという話だったな。

2005年 12月10日(土) 焼きオニギリを食べた後で。