オペラ座の怪人 その2

オペラ座の怪人 -デジタルリマスター版- [DVD]All Rights Reserved.

古着屋さんの何の障害物の無い玄関の所で躓いた帰りにTUTAYAのレンタルショップに寄った。 今回は特に借りたい物はDVDもCDも無かった。

ここのTUTAYAさんは2階で一階が本屋さんである。こちらで有吉佐和子著の「複合汚染」を購入してから覗いてみたのだ。

この建物には4つの店舗がある。一階が本屋さんとDVDとヴィデオのセルのお店である。2階はレンタルのDVDとヴィデオのお店とCDのセル及びレンタル屋さんである。

ちなみに謳い文句ではカルチャー・コンビニエンス・ストアーである。

レンタルのヴィデオ屋さんの小津安二郎監督のコーナーで「晩春」の解説を読んで居た時である。50代後半と思われる少し太めの体格の好いオジサンが棚を整理していた店員さんを捕まえて突然に「ほらっ、丸くて音楽の奴はどこ?」と大声を張り上げた。小声でオジサンと二言、三言何か話した後に店員さんは「そちらは反対側のお店になります」と言ってオジサンを案内した。最後の辺りだけ聞き取れた。僕はそんなに大きな声をださなくても良いのにと思ったけれども特に気にはせずに今度は「麦秋」を手に取った。すると暫くするとまたオジサンがドカドカと戻って来て「あれっ、向こうじゃなくてこっちだって」と、また先ほどの店員さんを捕まえて話を始めた。僕は気になって耳がダンボの様になってしまっていた。

以下はオジサンと店員のお姉さんの会話である。

オジサン 「音楽なんだよ。ほらっ。丸い奴」

店員 「音楽関係は向こうのお店なんですが・・・」

オジサン 「だからさ、音楽で踊る、ダンスのさぁ」

店員 「ミュージックヴィデオやDVDはあちらの・・・・・」

オジサン 「うん。だからね。あっちのお姉さんがこっちにコーナーが有る。って言うんだよ」

店員 「・・・・。そうですね。それではタイトルはお分かりですか?」

オジサン 「うん。それが何だったかな?何とかって言うんだけど・・・・」

店員 「タイトルだけでも分かれば・・・・。検索できるんですけど」

オジサン 「あれっ。ほらっオードリー・ヘップバーンなんかが出てる奴だよ」

店員 「オードリー・ヘップバーン?」

オジサン 「昔のハリウッドの映画でさぁ。沢山有ったでしょう」

店員 「映画ですか?」

オジサン 「そうなんだよ。だから、ミュージカルなんだよね」

オジサンから「ミュージカル」という言葉が漸く出て来た。問題解決である。2往復はせずに済んだ様だ。ミュージカルのコーナーに案内され、やっとゴールに到着したオジサンは離れた所から見てもとても嬉しそうだった。「これはもう観たんだよなぁ。これもさぁ。」などと店員さんを相手に話をしていた。僕の勝手な想像ではあるがオジサンにとって「音楽」と「ミュージカル」という言葉が殆んど同じ意味で使われていたのだ。それからCDとDVDの区別も曖昧だったようである。若い店員さんがオードリー・ヘップバーンの名前を知らなくても無理はない。

レンタルが目的は間違いない様であった。これが購入目的であればもうワンラウンド店員さんとの話しをしなければと僕は心配していたのだ。そしてオジサンは息を切らしていたであろう。

アンドリュウー・ロイド・ウェーバー製作・脚本・作曲、ジョエル・シューマッカー監督の作品である。1986年ロンドンで初演され絶賛を浴び後に世界18ヶ国、100都市以上で8000万人の人々が観たと言われているミュージカルの映画化である。日本国内でも劇団四季の作品として400万人の人々が生の舞台で観ているそうである。現在この観客動員数は今年中に「キャッツ」の持つギネスの記録を抜き、新記録を樹立するそうである。映画やミュージカルに全く興味の無い方でも題名と重低音で始まるテーマ曲はご存知の様な気がする。「キャッツ」も同じくこの方の作品だそうだ。これは凄すぎる記録だと思う。気になってほんの少しこの方に付いてチェックを入れてみたら大変でした。1948年イギリスのロンドンで生まれ、60年代の後半からの活動が既に表でも認められていた。92年には英国王室から「sir」、98年には「lord」の称号も頂いている様である。トニー賞7回グラミー賞3回オリビエ賞6回アカデミー賞ゴールデングローブ賞などなどショウビズ界の賞のデパートの様な方である。

「何はともあれ、生の舞台を観てからなのかな?」とも思った。僕も名前と作品を幾つかは知っていた。これは興味が特別に有った訳で無くてで、ある。これがこの方のパワーの大きさなのだろう。

映画の方で仕切られた方は僕の中ではコリン・ファレル主演の「フォーン・ブース」の監督としての印象が強い方である。他にも「フォーリング・ダウン」、「依頼人」、「8mm」などがある。

コリン・ファレルの出世作と僕が感じている「タイガー・ランド」もそう言えばこの方の作品である。

ゴージャスな映像でシャンデリアが崩れ落ちていくシーンが印象的であった。

僕は特別に映画のミュージカルというジャンルが好きという訳ではない。でも「シカゴ」もこの映画と同じ様に劇場まで出掛けた。「コーラス・ライン」もそうである。実は好きなんだんな。と今、気が付いた。

ボブ・フオッシー(監督&舞台演出家)の「オール・ザット・ジャズ」とミロス・フォアマンの「アマデウス」が特にお気に入りというか肌に合い、好きである

結局オジサンは何というタイトルのミュージカル映画のDVDを借りたのだろうか?気になっている。もしかしたら「オペラ座の怪人」は劇場に駆け付けていたかもしれない。

一番風呂を頂いた後で。

夕方に。自宅にて。