硲 敏彦by  硲 敏彦Published:2004年07月14日 水曜日 10時50分

南の島でよく西瓜を食べた。
その西瓜はまん丸ではなく、横長な形をしていた。 宿泊したホテルは雑踏とクラクションつつまれた市内の中心部にあった。日本を発ってから半日以上が過ぎていたが疲れはなく明日からの撮影に胸が躍っていた。シャワーを浴びようとしたその時、部屋のチャイムが鳴った。小窓を覗くとジャッキー似の従業員が笑顔で覗き返しウインクしている。ドアを開けるとジャッキーは溢れんばかりの西瓜が載ったステンレスのトレイを持ちながらウエルカム・フルーツを持ってきたと告げると部屋の中心に配置してあるテーブルへ置き、後ろ手にあごを突き出しながら食べろ食べろと笑顔で言う。一連の有無を言わさないサービスに困惑しながら食べた西瓜は甘くなくジューシーで喉の渇きを感じていた僕はトレイに載った半分ぐらいの西瓜をジャッキーの笑顔に見守れながら一気に食べた。唸りをあげながら残っている西瓜を見つめるているとジャッキーは会釈をし、小さく手を振りながら、部屋を出て行った。窓の外に見える大きな木が夕方の短いシャワーを浴びている。さ〜飯食いに行くか〜。

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